高須克弥

事故でくしゃくしゃになった顔でも元通りにしてあげることができた。術後、患者さんも保険会社の人も、「あ、きれいですね。顔は傷つかなかったんですね」と言うから、「いや、600針縫ってきれいにしたんですよ」と説明すると、保険会社の人などは「えっ? でも、こんなにきれいじゃ、後遺症認定ができませんね」と言う。醜いほうがいいのかと。 だけど、それが評判になって、次第にしわを取りたい、鼻を高くしたい、二重まぶたにしたいという人たちが増えてきた。そこで、名古屋市内に美容整形の専門病院を設立することにしたんです。 それがまた評判になって、テレビから声がかかった。当時の人気番組『11PM』や『2時のワイドショー』(ともに読売テレビ系)に出演するようになると、全国から患者さんが訪れるようになりました。そして、1981年に東京・赤坂にクリニックを開設しました。 そのころ、大晦日の紅白歌合戦を見ていたら、ぼくの“作品”がいっぱい出ていましたよ。今はある有名人のパーティーなんかに行くと、やってくるゲストのほとんどがぼくの作品だったりしますよ(笑い)。